研究ノート
アノーソフの研究ノートのなかには「ダマスト(波紋)は顕微鏡でもなかなか見えない」とか「適切にやれば顕微鏡下で美しいダマストを示す」とか書かれています。
これらの言葉が21世紀になって、同国人ベラーエフによって発掘され、アノーソフは顕微鏡によるロートアイアン研究の先駆者とされました。
しかし、スミス博士は、アノーソフが顕微鏡を系統的に活用し、金属の構造に着目したことを示唆するようなものはなにもないとしています。
たしかに、それはフックやレオミュールの試みのように重要な試みであったが、金属の構造を顕微鏡下でとらえるには、知的関心の高まりとともに、顕微鏡自体の進歩、表面研摩技術、腐食法その他多くの技法が総合される必要がありました。
ついに成功するときがきた。
岩石の顕微鏡的研究から出発したソルビーが、顕微鏡観察のできる試料片を忍耐強く仕上げてゆき、1863年に鋼の顕微鏡組織を確実に捕捉したのです。